この記事は、以前公開した「Cドライブの容量が減少? - Vistaでシャドウコピーの記憶域の最大容量を確認,変更する」および「システムの復元(シャドウコピー)用領域のサイズを指定する」の記事をまとめ、情報を修正したものです。
自分の知らないうちにディスクの容量が減少しているように感じたことはありませんか?このように感じるのは、シャドウコピー用に割り当てられた領域による影響の可能性があります。
しかし、使用目的によっては、その割り当て容量が大きかったり、小さかったり、そもそも不要だと感じる場合があるかもしれません。
そこで今回は「システムの復元」と「以前のバージョン」機能のために使用されるシャドウコピーの割り当て容量をGUIまたはCUIを用いて確認,変更する方法を紹介します。
対応状況を表にまとめると次のようになります。
OS | システムの復元 | 以前のバージョン | GUIによる設定 | |
---|---|---|---|---|
Windows Vista | Home Basic Home Premium | ○ | × | × |
Business | ○ | ○ | × | |
Ultimate | ○ | ○ | × | |
Windows 7 | Home Premium | ○ | ○ | ○ |
Professional | ○ | ○ | ○ | |
Ultimate | ○ | ○ | ○ | |
※表に掲載したOSおよびそのエディションは一般的なものに限定しています |
この表からわかるように、シャドウコピーの領域は「システムの復元」と「以前のバージョン」機能のために使用されますが、Windows VistaのHome系では「以前のバージョン」が使用できません。Windows 7ではすべてのエディションで「以前のバージョン」が利用できます。
また、Windows Vistaでは(確認した限りでは)シャドウコピーに関する設定をGUIで行うことができないようです。
以降、GUI(設定画面)とCUI(コマンドプロンプト)による操作をそれぞれまとめます。
Windows Vistaの場合はこの下の「CUIで設定を行う」項目を参照してください。
GUIで設定を行う場合、比較的わかりやすく簡単に設定を行うことができます。また、割り当てた領域を「システムの復元」だけに使用するのか、「システムの復元」と「以前のバージョン」の両方に使用するのかを指定できます。
「スタートメニュー」>「コンピューター」>「システムのプロパティ」を選択します。
次に、左側の「システムの保護」を選択します。
すると、「システムのプロパティ」ウインドウが開き、「システムの保護」タブが開かれます。「保護設定」から変更したいドライブを選択し、「構成(O)...」を選択します。
「システム保護対象 〜」ウインドウが開かれます。
「設定の復元」では、これらの機能を使用するかを選択します。「システム設定とファイルの以前のバージョンを復元する」を選択すると規定のすべての機能を利用し、「ファイルの以前のバージョンのみを復元する」を選択すると「以前のバージョン」のみを利用し、「システムの保護を無効にする」を選択するとすべての機能を無効とします。
「ディスク領域の使用量」では、実際に割り当てる容量をスライダで設定します。「削除(D)」を選択すると、すべての復元ポイントを削除して容量を確保します。
設定が完了したら「OK(O)」を選択し、前のウインドウも「OK」を選択し、作業は終了です。
これらの設定は、設定を行いたいドライブごとに設定します。
この方法では、最大使用量の設定時に細かい値が設定しにくいという問題があります。正確な値を設定したい場合にはコマンドプロンプトを用いる次の方法をお勧めします。
「コマンドプロンプト」を用いて設定しますが、手順通りに行えばある程度わかると思います。
「スタートメニュー」を開き、「アクセサリ」の「コマンドプロンプト」の上で右クリックし、「管理者として実行(A)...」を選択します。
「コマンドプロンプト」が開いたら、現在の設定の確認や設定の変更を行います。
以降の作業はすべてコマンドプロンプトにコマンドを入力して行います。
「vssadmin List ShadowStorage」と入力します。
すると現在の設定が表示されます。
「vssadmin Resize ShadowStorage /For=○: /On=△: /MaxSize=□」を入力します。
ここで、各記号に「現在の設定を確認する」で確認したドライブの値と設定したい最大容量を当てはめます。
ドライブレターの“:”は必要なので削除しないでください(例:「/For=C:」)。
スクリーンショットでは、「vssadmin Resize ShadowStorage /For=C: /On=C: /MaxSize=5GB」と入力し、Cドライブを対象に、容量を5GBとしています。
ここで、設定変更前よりも割り当て容量を小さくすると、保存されていたデータのあふれてしまう容量の分だけ古い順に削除されることに注意してください。
「シャドウ コピーの記憶域関連付けのサイズが正しく変更されました」と表示されれば成功です。
念のため設定をもう一度確認し、正しく設定されているのを確認するとよいでしょう。
コマンドプロンプトを閉じて作業は終了です。